大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)2678 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人本田義男の上告趣意は、末尾に添えた書面記載のとおりである。

論旨第一点について。

所論の事実は、原審において控訴趣意として主張されていないのであるから、上

告の事由とすることができない。のみならず、所論司法警察員作成の供述調書三通

並びに検察官作成の供述調書一通は、いずれも所論のように適式な令状によらない

不法拘禁中になされた供述を録取したものではなく、適法な拘禁中の供述を録取し

た調書である。記録によれば、被告人は、最初に窃盗被疑事実によつて昭和二四年

一月一三日逮捕状により逮捕され、次に強盗殺人同未遂被疑事実によつて同月一六

日逮捕状により逮捕され、最後に右被疑事実について同月十九日勾留状により勾留

されたこと明らかである(右勾留状に有効期間として「昭和二三年一月二〇日より

同月二六日まで」とある昭和二三年は昭和二四年の誤記であること明らかであり、

またこゝに言う有効期間とは遅くもその終期までに勾留状を執行すべきことを明ら

かにした趣旨である)。それゆえ、所論の供述調書は、すべて適法な拘禁中になさ

れた供述を録取したものと認められる。また、右供述が所論のように司法警察員の

強要等による自白であることを認むべき証拠もない。されば、第一、二審判決に憲

法三三条、三八条一、二項の違反があることを主張する論旨は、その前提となる事

実を欠く故に理由がない。

論旨第二点について。

所論は、刑訴四〇五条に定める事由には当らないので上告の理由として採用でき

ないし、記録を調べてみても本件は刑訴四一一条を適用すべき場合とも認められな

い。

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よつて、本件上告を理由ないものと認め、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致

した意見によつて主文のとおり判決する。

昭和二六年一二月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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